マスター仕様書に関する知識・情報の提供
海外規格リサーチャーは、「マスター仕様書」に関する有意な知識・情報を提供します。
日本国内では、仕様書は「建築仕様書」と呼ばれ、あたかも構造、内装等、いわゆる建築工事の仕様書との印象を与えますが、ヨーロッパ、米国等では、単に「仕様書」と呼ばれ、電気、機械等の設備工事を含む広義の建築工事に関する仕様書です。
米国における仕様書は、「マスター仕様書」という基本仕様書を使い、工事案件毎に作成されます。その用語からもわかる通り、仕様書は工種や材料、機器について、その仕様を定めることが主な目的ですが、それにとどまらず、施主、工事監理者、設計者、施工者の役割の明確化を含めて、プロジェクトの運用方法等も定めています。つまり、ヨーロッパ、米国の仕様書は、プロジェクトの発注、調達という段階において、設計図面と共に重要な入札文書の役割を果たすだけでなく、プロジェクトの管理運営方法、施工段階での機器の設置方法、検査試験の方法、施工結果の責任等を明確にする機能も持っています。この仕様書が、海外プロジェクトにおいて、頻繁に使用されています。
マスター仕様書は、プロジェクト毎に30を超えるディビジョンで構成される場合も多く、さらに、そのディビジョン毎にセクションに分かれています。電気設備に関係が深いディビジョンは「ディビジョン01一般要求事項」、「ディビジョン26電気」です。ディビジョン01は、全てのディビジョンに共通する基本な事項を扱っています。ディビジョン26は、電気設備専用のディビジョンで、ふつう、30以上のセクションから構成されます。そのセクションの例を下記に示します。
セクション260519 低圧電気用電力導体及びケーブル
セクション260526 電気システム用の接地とボンディング
セクション262413 スイッチボード
マスター仕様書に関する説明の依頼があった場合、海外規格リサーチャーは、次の区分で依頼に対応します。
(1)形式的な要求事項・・・セクション書式、ページ書式の推奨事項
(2)ディビジョン01一般要求事項の代表的なセクションの内容
(3)ディビジョン26電気の代表的なセクションの内容